糖尿病性腎症の食事制限は困難を極めます

「糖尿病」というと、どのようなイメージがわいてくるでしょうか。

健康を意識したテレビ番組を見ていると、意外と多くの芸能人の方々が「糖尿病、またはその予備軍」と医者軍団から指摘されているシーンを見ます。

しかし、芸能人の方々だけでなく、私達も「糖尿病が心配ですよ」と言われてもピンとこないことの方が多いような気がします。ましてや、症状等がない場合などはなおさらかもしれませんね。

しかし、糖尿病は、特に食事の管理を怠ると合併症を併発して、生活に支障をきたしてしまいます。

そこで、今回は、私が、合併症の一つである「糖尿病性腎症」に対する食事へのアプローチとして利用している「糖尿病性腎症のための制限食・介護食の宅配サービス」につきまして、そのメリットと安全な利用法などの情報をお届けいたします。

日本で糖尿病が激増しています

近年、日本人の間に増えている「糖尿病」は、今や、国民病ともいえる存在となっています。

糖尿病は、「生活習慣病の一つ」と言われていますので、日常の生活に注意払えば予防することが可能な病気です。

しかし、平成28年度に、厚生労働省が実施しました「国民健康・栄養調査」の結果によりますと、なんと、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、全体の12.1%となり、約1,000 万人と推計されたとのことです。

また、強く疑われなくても、「糖尿病の可能性が否定できない者」、つまり予備軍的な人も約1,000 万人いると言われており、残念ながら年々増加をしている傾向です。

糖尿病は、合併症が恐ろしい!

実は、御多分にもれず、私の叔母も残念ながら「糖尿病」になってしまいました。
発病したのが今から7年前です。そして、その診断名は「Ⅰ型の糖尿病」。そのため、インスリン注射、飲み薬、食事療法等で治療が開始されました。

主治医からは、入院中に様々な合併症の話を聞いていたようですが、叔母にしてみれば、あまりピンとこなかったようです。

当時、叔母は一人暮らしでしたので、注射や服薬はしっかり実施していたのですが、一人暮らしの「甘さ」で食事制限はほとんどうまくいってなかったと言っていました。

その結果・・・3年後に「糖尿病性腎症」という状態にまで発展してしまったのです。

糖尿病性腎症は恐ろしい!

「糖尿病性腎症」になった叔母と同居することになったのが4年前です。

同居を境に、私の「糖尿病性腎症対応サポート」が始まりました。同居当時の「腎臓機能のデータ値」は透析寸前でした。

「これはまずい!」と思った私は、教育入院中の献立を管理栄養士からいただき、また、管理栄養士の栄養指導を受けて「徹底的な制限食作り」にとりかかりました。とにかく、「透析を回避しなければ!」の思い一つで動き出したのです。

糖尿病性腎症の食事で制限する栄養素とその効果は?

糖尿病性腎症になってしまった場合、通常の糖尿病よりも制限しなければならない栄養素が増えて、より制限食作りには工夫が必要になります。

特に、注意しなければならないのは、

  • 総カロリーの遵守
  • タンパク質の制限
  • 塩分の制限
  • リンの制限
  • カリウム制限

などがその代表です。

これらの栄養素は、医師の指示で数値化されますので、それを遵守することで、腎臓における負担が軽減できます。

そして、制限される栄養素のコントロールが上手にできるようになると、特に腎症が進むことで生じる「透析」を回避することが期待できます。

糖尿病性腎症の制限食を作ることは家族の負担に?

しかし、日常的にこれらの制限食を作ることは、作る家族にとって、とても神経を使い、手間や時間もかかるので、かなり負担がかかることでもあります。

糖尿病性腎症は、「カロリーだけでなく、タンパク質、塩化ナトリウム、リン、カリウムを制限しなければならない」という事を主治医から聞いた時、叔母だけでなく私も、最初言葉が出ませんでした。

叔母の場合、糖尿病性腎症がかなり進んでおり、1日のカロリーは1200kcal、タンパク質40g以下、塩分5g以下、それに加えてリン、カリウムを極力減らすとの厳しい指示でした。

本人はもとより、事を作る私も「ぼーぜん」としたのを覚えています。

そこで、教育入院時の献立表、管理栄養士からいただいた「食品のカリウム含有量」の表を冷蔵庫に貼り、食品成分表の本を近くに置いての食事作りがタートしました。

管理栄養士の話からの食事のポイントは、1食のカロリー400kcal、平均塩分1.5g、リン、カリウムを少なくする調理法を工夫をしながら、どれだけおいしく食事を作れるか・・・でした。

そこで、管理栄養士と話し合った結果、3つの食事作りのポイントを決めました。
それは、以下の通りです。

(1)調味料から見直し

醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップなどを、「減塩、カリウム、リン制限」のものを購入しました。これらを、調理に使用することにしたのです。

(2)食材の計量

特に、ごはんや、肉、魚は、調理したものを計量計で、食べられる量を一つ一つチェックして盛り付けます。

(3)調理法の工夫

例えば、カリウムの多い野菜は、極力生をさけて、茹でこぼして使用します。味付けは、できるだけ、酢や油等であえるなどの工夫をするように心がけています。
また、くだものは、カリウムの宝庫ですので、種類に合わせた量をカットして食卓にだしました。

 
今では、多くの食品に「成分表」が表示されていますので、「ナトリウム」のチェックはできるので助かりますが、「カリウム、リン」においては表記されているのは少ないと感じています。

そのため、食品成分表などで一つ一つ確認しながら調理をしています。

このように「糖尿病性腎症のデータ回復」を目標に進んできた結果、健診結果に一喜一憂しながらも、頑張って調理をしてきた私でしたが、開始して半年を過ぎるころ、体調に変化が現れ、毎日3食治療食を作ることにとても疲れてきたのです。

私自身療養中でしたが、それに加えて「制限食作り」のストレスがかかったようです。「もう少し楽な?調理法はないものか?」と考えていたところ、「糖尿病性腎症の食事宅配サービス」に出会ったのです。

食事制限の宅配食事サービスのメリットは?

病院からは、制限食を扱っている会社のカタログをいくつかいただいてましたので、それを見ながら、管理栄養士と話し合い、叔母にあった「食事宅配(宅配食)」を利用することにしたのです。

それは、「糖尿病性腎症」用の宅配食で、カロリー、タンパク質、塩分、リン、カリウムの含有量がしっかり表記されており、「これは叔母にぴったり!」と思いました。

さっそく、このようなおかずセットがあることを叔母に話すと、さすがに抵抗があったようです。反対されました。グルメな叔母です。

やはり、理由は「冷凍なので味気ない」という事です。その後、叔母と何回か話し合いを持ち、やっと「味がどうかわからないけど、Nちゃん(私)が楽になるなら試してみる。」という事で、お試しコースを6食分利用してみることになりました。

冷凍食品としてきたこの宅配食のおかずには、メニューによってレンジで温める時間が決まっています。そのおかずに決まっているレンジの時間で温めて、そのまま器ごとおかずとしてだすことができます。

実際、それを出してみると、叔母から「意外に美味しい!」との声。

その時のメニューは「ハンバーグ、マカロニホワイトソース、青梗菜とコーンのソテー、那須のトマト煮、大学いも」でした。

開けてびっくり! 5種類のおかずがしっかり入っていて、かなり食べ応えがあったようです。もちろん、これだけ入ってカロリーは310kcalでした。

宅配の治療食が、ほんの5~7分レンジで温めるだけで満足がいくなんて・・・私はとても感激しました。

実は、私自身も宅配食に不安があったのです。グルメな叔母なので「味と満足度」が足らないのではないかと・・・

しかし、私も実際に食べてみて「宅配食恐るべし!」と感じました。私は、病院の管理栄養士に報告をして、しっかり活用させていただくことにしたのです。

宅配食は冷凍で届けられますので、少なくとも約3ヶ月以上は保存ができます。ですから、好きな時に活用でき、カロリーや制限栄養素を気にせずに簡単に、おかずとして提供することができます。

おかげで、1食をこのおかずに置き換えることで、私の体の負担だけでなく心の負担がとても軽減しました。

そして、ちょっとした空き時間ができ、資格取得のための勉強や、自分の体調管理のために始めた体操教室にも時間に余裕を持って行くことができるようになりました。

メニューも、和食、洋食、中華、麺類など豊富なために、叔母は飽きずに食べられているようです。また、叔母の体にも変化が現れ、うれしいことに、血糖値や腎機能が安定してきたのです。

ちなみに宅配食のカタログには、複数のコースがありまして、それによって、カロリーや制限成分の量等が違います。また、値段も、1食500円代から800円代まで様々です。

今では、叔母が飽きないようにと、叔母の希望を聞きながらいろいろなコースを注文しています。

介護食(やわらか食)にも制限食があります。

「やわらか食」とは、咀嚼をすることや飲み込みが大変な方などに向けた介護食です。
食材の味や特徴を損なわないように、柔らかく調理されており、食べる方が楽しく、満足が得られるように工夫がされています。

「やわらか食」は、特に、カロリー、塩分に焦点を当てている宅配食が多いように感じます。
ですが、会社によっては、カリウム、リンなどの含有量もきちんと表示されているものもありますので、食べる方の状態に合わせて選ぶのもよいかもしれません。

「柔らか食」も進化しているようで、咀嚼力の違いによって、数段階に分かれて作っている会社もあります。

価格もいろいろで、取り扱う会社によって、特徴がありますので利用を考えている方は、主治医や管理栄養士にご相談されるのをおススメいたします。

おかげ様で、私の叔母は86歳ですが、まだしっかり咀嚼ができるので、今のところ、「柔らか食」の利用は考えていませんが、近い将来、咀嚼力が落ちて利用する日がくるのではないかと思っています。

糖尿性腎症の宅配食サービスを利用する上での注意点は?

このように糖尿病性腎症の制限食の宅配サービスは、介護者の負担が軽減して、一目で、制限成分がわかることがメリットですが、やはり、丸投げではいけないところがあります。

もし、このサービスを受ける場合、やはり、主治医や管理栄養士としっかり相談されることをおススメいたします。

私の叔母の場合、1~2月に一度定期受診をしますが、その場で、医師から「ヘモグロビンA1C、タンパク質、カリウム、ナトリウム、腎機能」のデータを確認され、それに合わせて、食事で摂取できる量が指示されます。

幸い、叔母は現状維持が3年間続いています。

今の「制限食の宅配サービス」で大丈夫のようですが、もし、悪化した場合は、利用できる宅配サービスを替えることになるでしょう。

糖尿病と高齢者

私の叔母は、糖尿病を発病したのが、80歳でした。わかった時には、もうⅠ型との診断が降りてしまいました。

しかし、夫を亡くしてから東京で19年間一人暮らしをしており、子どももいないため、気ままな一人暮らしを満喫していました。きっとそれが悪化の原因かもしれません。

Ⅰ型はインスリンを打たなければなりませんので、80歳で発病した叔母にとって、毎日の注射は当初不安があったとの事でした。

しかし、今ではベテランとなり、86歳の今でも、上手に注射を自分で実施しています。

高齢者がだれでも叔母のようにはいかないと思います。私の友人の場合、親御さんのインスリンは、親御さん自身、管理ができない状態のため、友人が打っているそうです。

また、高齢で糖尿病になった場合、若い人以上に症状が出にくいように思います。私の叔母も、健診で「即精密検査、即入院、即インスリン」でした。

また、一番大切な食事となると、糖尿病性腎症のように制限が多い場合、高齢者自身がしっかり管理をして、制限食を作ることはとても大変になると思います。

ですから、宅配食のようなサービスは、高齢者にとってもとてもありがたいサービスといえるのではないでしょうか。

ところで、糖尿病など慢性的な疾患は、特に高齢者にとって不安増大となるでしょう。

一番高齢者にとって、病気と闘う気力を持つために必要なのは、「アドバイスや見守りをしてくれる家族」かもしれません。

糖尿病と合併症

糖尿病そのものも大変な病気ですが、それに加えてより恐ろしいのが「合併症」です。特に、「血管からくる病気」が、糖尿病患者を悩ませます。

血管は、体中に栄養を運ぶ通路ですが、血液中の糖の濃度(血糖値)が長い間、高い状態でいると、血管がつまったり、傷ついたりして、血流が滞ってしまいます。

また、血管がかたくなったり、狭くなったりする「動脈硬化症」が起きます。これが起きると「血管の老化」が進んできます。

このように、血管がダメージを受けたり、動脈硬化が進んでくると、それにつながる臓器が障害され、様々な合併症が出てきます。

たとえば、神経の障害や糖尿病網膜症、糖尿病腎症、筋梗塞や脳梗塞、足の壊疽などが代表的な合併症です。

しかし、糖尿病の合併症は、ゆっくり(数年から数十年の経過で)進むことが多く、かなり進行するまで症状が出ないこともあります。そして、気が付かないうちに、足の切断など、時として命にかかわるほどの重い状態となる場合があるのです。

また、高血糖が続くと歯周組織の血管がもろくなります。これを放置すると歯周病が進行しやすくなり、歯を支えている骨に影響を与えて歯を失うこともあります。

ですから、高血糖をそのまま放置することは非常に危険なことです。

まとめ

このウェブサイトでは、「糖尿病性腎症」を上手にコントロールする食事法として、宅配食のお話しをさせていただいております。

糖尿病性腎症の方にとって、毎日の食事自体が「治療」です。しっかりした管理栄養士の下で作られる「糖尿病性腎症の宅配食」は日々進化している感じがいたします。

お値段は、ピンキリですが、特に、味も栄養バランスも本当に良くなっていると感じています。

糖尿病性腎症の制限食作りは、コツをつかめば難しくはなくなります。しかし、一生懸命やりすぎて息があがってしまっては介護者本人にはよい影響は得られません。

「ちょっと一息つきたい」「あまり、自分ではうまく食事が作れない」と思われる方は、ぜひ宅配食をお試しください。